弟子入りがスタートし気づけば10年経ちました。 初心みたいなのをずっと忘れたくなくて、 一番初めに作った作品の写真をたまに眺めています。
今日は、その作品を紹介したいと思います^_^ 学生時代がむしゃらに作り続けた作品です。
賞に入ってしまった作品のほとんどは手元にはありません。 ありがたくも大学に大切に保管されています╰(*´︶`*)╯♡
恐れ多くも一番初めに作った作品は、 一番手間のかかる縫い絞りの技法「唐松絞り」でした。
両はしに布をつけ、12本の針を使い1行を縫っていきます。 1日8時間縫い続けても5行も進まなかったのを今でも覚えてます 。
初めて有松に訪れたときに、 のちに弟子入りすることになるsuzusanの村瀬氏に「 お前には無理だ!」と言われたのも無理ないなって、 作業がスタートして思い知りました。
でも、初めに否定されたからこそ、最後まで頑張れたのです。
2㎜から3㎜をひたすら縫っていって半年かけて作品にし、 染色も自分で施しました。
塩縮加工した綿ローンの生地を形状記憶させ、ピンクローズと、 濃いめのピンクでグラデーションして染色しました。
白い部分は、 ポリエステルシフォンのクレープタイプの生地を圧力鍋で、 ヒートセット加工し、形状記憶させました。
絵すりや加工方法は、村瀬氏がアドバイスしてくれました。 弟子入りしてから仕事の合間にすこしづつ教えてくださいました。
ここで私は、絞り染のもつ、可能性に触れたのです。
生地が完成し、 せっかく絞った生地にハサミを入れるのに何度もためらったのを覚 えてます。
凹凸のある生地の縫い代をあえて表にし、 ロックをかけ流れる感じを表現。
絞りの凹凸により体に沿うシルエットになり、 エレガントになりました。
この作品は、卒業制作発表会でゴールド賞を受賞。
のちに提携校であるドイツにあるプフォルツハイム大学で、 展示発表されました。
今手元にはないですが、出会いと挑戦、挫折、 達成といろんな思いが入った第一号の作品となりました。
のちに大学教員になってたから知ったのですが、 学科を紹介する大学パンフレットとホームページに何年か私の作品 が使われていたみたいです。
幸せですね〜╰(*´︶`*)╯♡ この作品があったから今の私が存在するのかもしれません。